まずは、簡単なプロフィールを紹介します。
いい人ほど「潜在意識がブレーキ」になるのはなぜ?

いい人
周りからは「優しい人だね」「いい人だね」と言われるけれど、なぜか心の奥底では満たされない想いを抱えている方が多いのでは?
実は、「いい人」であり続けようとする心の奥に、あなた自身も気づいていない潜在意識のブレーキが働いているからです。
今回は、そのメカニズムを優しく解き明かし、本当の意味で自分らしく生きるための方法をお伝えします。
潜在意識が作り出す「いい人」の正体

心 ハート
無意識に刻まれた「愛されるための条件」
まず、潜在意識について簡単に説明します。
私たちの意識は、普段気づいている「顕在意識」と、気づいていない「潜在意識」の2つに分かれています。
顕在意識は氷山の一角で、潜在意識は水面下に隠れた巨大な部分。
この潜在意識が、実は私たちの行動の90%以上を決めています。

潜在意識の仕組み
「いい人」になってしまう方の潜在意識には、以下のような思い込みが刻まれています
- 「人に嫌われたら生きていけない」
- 「自分の意見を言うと相手を傷つけてしまう」
- 「我慢することが愛される条件」
- 「完璧でなければ価値がない」
このような思い込みは、幼少期の体験から生まれることがほとんどです。
例えば、親に「いい子にしていなさい」とよく言われた、兄弟と比較されることが多かった、親が忙しくて「手のかからない子」でいることを求められたなど…etc.
そんな環境にいると、子どもは無意識に「いい子でいることが愛される条件なんだ」と学習してしまうのです。
インナーチャイルドが作る「生き残り戦略」
心理学では、この幼少期の記憶や感情パターンを「インナーチャイルド」と呼びます。
子どもにとって親や周囲の大人に愛され、守られることは文字通り「生き残るため」に必要なこと。
だから、愛されるために必要だと感じた行動パターンを、潜在意識に深く刻み込んでしまうのです。
「いい人」でいることは、その時の子どもにとっては最適な「生き残り戦略」だったんですね。
でも、大人になった今もその戦略を続けていると、本来の自分らしさを表現できなくなってしまいます。
なぜ潜在意識が「行動のブレーキ」になる?

ストレス
人間関係のストレスが生まれる心理メカニズム
「いい人」の潜在意識は、常に周囲の反応を監視しています。
「断ったら嫌われるのではないか?」
「完璧にやらないと評価されないのではないか?」
このような思考パターンが無意識に働くことで、以下のような行動ブレーキがかかってしまいます。
1. 自分の意見や感情を抑制してしまう
本当は「違う」と思っていても、「波風を立てたくない」という気持ちが先に立って、自分の考えを飲み込んでしまう。
2. NOと言えずに負担を抱え込む
断ることで相手に嫌われることを恐れて、自分のキャパシティを超えても引き受けてしまう。
3. 完璧主義で行動が遅くなる
「失敗したら評価が下がる」という恐れから、準備に時間をかけすぎたり、チャンスを逃してしまったりする。
29歳女性 Aさんの体験談
自己肯定感の低下が招く悪循環
このような行動パターンを続けていると、皮肉なことに自己肯定感はどんどん下がってしまいます。
なぜかと言うと
本当の自分」を表現する機会を、自分で奪ってしまっているからです。
「いい人」でいることで一時的に周囲から好かれても、それは「演じている自分」への評価。
本当の自分が認められているわけではないので、心の底では満たされない気持ちが残り続けてしまうのです。
パターンに気づく「潜在意識のブレーキ」を外すアプローチ!

いい人
ブレーキを外すには、まず、自分の無意識の思考パターンに気づくことです。
以下のような瞬間を意識して観察してみてください。
おススメのアプローチ!
- 人に何か頼まれた時の最初の感情
- 自分の意見を言おうとした時の体の感覚
- 断ろうとした時に頭に浮かぶ言葉
- 完璧にできなかった時の心の声
簡単な書き出しワーク
1日の終わりに、「今日、本当はどう感じていたか?」を5分間書き出してみましょう。
頭で考えるのではなく、心で感じたことをそのまま言葉にするのがコツです。
「同僚の頼みを断りたかったけど、嫌われるのが怖くて引き受けた」
こんな風に、素直な気持ちを書き出すことで、自分の本当の想いに気づけるようになります。
小さな「本音表現」から始める
いきなり大きく変わろうとすると、潜在意識は抵抗します。
まずは日常の小さなところから、本音を表現する練習をしてみましょう。
安全な場面での練習例
- レストランで「どちらでも」と言わず、好きなメニューを選ぶ
- 友人との約束で、本当に行きたい場所を提案してみる
- 家族に対して「今日は疲れているから静かに過ごしたい」と伝える
そしたら妻が『やっと本音を言ってくれた!』って喜んでくれて、小さなことだけど、すごく嬉しかったんです。」
セルフコンパッション(自分への思いやり)を育てる
「いい人」は、他人には優しいのに自分には厳しいことがほとんどです。
自分が失敗した時や、完璧でない時に、まるで自分を責める癖がついてしまっている。
この癖を変えるために、「セルフコンパッション」つまり、自分への思いやりを意識的に育ててみましょう。
実践方法
何かうまくいかなかった時、親友に話すような優しい口調で自分に話しかけてみてください。
でも、相手のことを思いやる気持ちがあるからこそなんだよね。
少しずつでいいから、自分の気持ちも大切にしていこうね。」
潜在意識を書き換える習慣作り
潜在意識の書き換えには時間がかかりますが、毎日の小さな習慣の積み重ねで確実に変わっていきます。
おすすめの習慣
- 朝のアファメーション(肯定的宣言)
「私は自分の気持ちを大切にしても良い人間です」 「私は完璧でなくても愛される価値があります」 「私の意見や感情は尊重されるべきものです」 - 夜の自分褒め
その日、小さくても本音を表現できたこと、自分を大切にできたことを見つけて褒めてあげる。 - 境界線を意識する練習
「これは私の問題」「これは相手の問題」を区別する練習をする。
42歳女性 Cさんの体験談: 「アファメーションを始めて2か月後、部長に無理な残業を頼まれた時に初めて『申し訳ありませんが、今日は難しいです』って言えたんです。
もちろん心臓バクバクでしたが、部長は『そうか、わかった』って普通に受け入れてくれて。
今まで私が勝手に『断ったら怒られる』って思い込んでただけなんだと気づきました。」
あなたらしく生きる勇気を持つ

自分らしく
「いい人」であることは、決して悪いことではありません。
ただ、それが「本当の自分を押し殺してまでも」やらなければならないことではないのです。
本当に相手のことを思うなら、そして本当に良い関係を築きたいなら、まずは自分自身を大切にすることから始まるのではないでしょうか。
潜在意識のブレーキを外すことは、一朝一夕にはいきません。
でも、小さな変化の積み重ねが、必ずあなたを本当の意味での「いい人」へと導いてくれます。
あなたが本当の自分で生きることで、周りの人たちもきっと安心して自分らしくいられるようになります。
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でも家に帰ると疲れ果てて、『私って何のために働いてるんだろう』って虚しくなるんです。
同僚からは『Aさんはいつも明るくていいね』って言われるけど、本当の私を誰も知らない気がして…」